J.S.ミル
イントロダクションの授業となります。ミルの生い立ちや執筆活動や『功利主義』の執筆背景、そして倫理学のイロハや、テキストを読んでいく上での注意点などを伝授(?)していきます。第一回では事前にテキストを読んでおく必要はありませんので、準備運動としてご参加ください。
「第一章 概論」および「第二章 功利主義とは何か」を読み進めます。 功利主義とは何か、功利性原理とは何か、(最大幸福という際の)幸福とは何か、という基本的な説明がなされます。続けてミルは、功利主義に対する誤解を解き、反論に答えていていきます。特に、カント批判や、エピクロスやベンサムの快楽主義の快楽主義に対して修正を加えていくあたりが見どころ(読みどころ)です。
「第三章 道徳的行為を導く動機づけについて」「第四章 効用の原理の証明について」を読み進めます。 「最大多数の最大幸福」が正しいことがわかったとして、我々はこの原理に従って行為、すなわち、道徳的行為へとどうして動機づけられることができるでしょうか。みなさんもしばしば、この原理が正しいことをわかっていても、ついついエゴイスティックな行動をとってしまうことがあるのではないでしょうか。この問題に対するミルの解答を探っていきます。 ところが、みなさんは、哲学に証明なんて可能なのか、と思われるかもしれません。ミルは功利性原理の証明についてもここで語っています。ミルの証明手法は、批判も含めて色々と議論されてきましたが、個人的にはそれなりに面白いと思っています。
「第五章 正義と効用の関係について」を読み進めます。 功利主義、あるいは功利性原理は、正義・権利・法とはどのような関係にあるのでしょうか。あるいは、功利性原理と正義の原理は、どちらが優先されるべきなのでしょうか。最大多数の最大多数を実現できなくとも、正義が実現されていればいいでしょうか。それとも、正義が実現できなくとも、最大多数の最大幸福が実現されていればそれでよし、でしょうか。ミルの答えは、正義の原理よりも功利性の原理が優先するのであり、正義の原理は第二の原理にすぎない、というものです。ミルとともに、時にはミルに反対して、考えてみましょう!!